テレビでも取り上げられ予約が取れない店としても知られている金沢の貴船。毎月1日の10時から6ヶ月先の予約を受け付けるというので、6ヶ月先を予約しました。月単位のキャンセル待ちもしましたがキャンセルはなかったようです。

御料理の種類

昼は、4000円と6000円、夜は、6000円、8000円、12000円からコースを選べます。
昼のコース、4000円は食事とデザート込で7,8品。6000円はそれに1,2品増えます。
夜のコースはどれも10~11品で、値段は中身の違いです。
(2018年現在)

お店の場所と駐車場

貴船に続く道
貴船外観

浅野川沿いの風情のある街並み、その中の一軒が貴船でした。細い道路ですが車も通れます。駐車場も同じ川沿いで店からすぐ近くの「中の橋」の前にあります。


店内の様子

店に入るとまず目につくのが、深く頭を下げた福助の人形です。金箔が有名な金沢だけあって頭が金色です。微笑ましいその姿に、お店の人の心を感じます。

おじぎ福助



予約した席は2階の窓側にありました。高齢者もいたので椅子席で幸いでした。食事前には川の景色を眺められ、秋の虫の声が聞こえます。
入口の様子



部屋に通じる通路が畳です。右側は別の部屋のようです。襖で仕切られた隣の客の声が聞こえますが、こちらも賑やかなので気になりません。
2階窓側席への通路



御料理が出てくるまで、街灯が灯りはじめた川を眺めたり歓談したりして過ごしていると、店の前に止まった車から大きな魚が運び込まれるのが見えました。今日の食事で出される魚か、などと話しながら料理を待ちます。窓際の手すりは低くて危ないので、食事が始まる前に窓は閉められました。それでも、虫の音は聴こえます。


夜のお料理 12000円のコース

 ※2018年9月現在の値段です。

お茶

最初に出てくるお茶はぬるめですが、甘さをじっくり味わえる温かさでした。このお茶はおかわりできず、次のお茶は番茶になります。そう言われると余計ありがたみを感じますね。何の気なしに飲んでしまったので、写真では量が少なくなってしまいました。
緑茶
使っているお茶は、”糸より玉露”です。近江町市場で購入できますが、製造は京都でした。インターネットでも購入できるようです。
お茶について尋ねるとパッケージを持ってきて「写真に撮りますか?」と差し出してくれたときの写真です。お店の方は皆さんとても親切です。
糸より玉露

先付け

この日は中秋の名月の前日。お盆と器は、うさぎが月を眺めている景色を表現しているそうで、時節に相応しい演出です。お盆の月と、月に見立てた盃、うさぎの器の黄身も月のように見え、月が3つになりました。

琵琶の形をした器は、ぬかご、ぎんなん、胡麻麩の白酢和え。
ウサギの蓋の中の魚は鯛です。

先付け

月に見立てた盃は、

ツキを引き寄せる

という意味があるそうです。お店の人が日本酒かノンアルコールのどちらかを注いでくれます。この日の日本酒は天狗舞、ノンアルコールは、”なし蜜” でした。

盃への酌

盛り込み料理

籠で覆い、笹で飾った盛り込み料理。写真は3人前です。

バッテラ(鯖の押し寿司)、鴨ロースのタスマニアマタード添え、 
器の中は、あけびのみそ炒め。子持ちアユの甘露煮。子持ちこぶ、いくらがカボスの器に入っています。

鴨ロースは独特の臭みがありません。ローストビーフと間違えたのは私だけでしょうか・・・? 肉料理は少ないですが、この厚切りには存在感があります。

盛り込み料理

のどくろ粟餅

とろけるような魚の皮と粟餅、それぞれの柔らかさが印象的です。

のどくろ粟餅

刺身

ボタンエビ、産卵期で脂がのったクロムツ、バイ貝。

刺身

焼き物

紅葉の葉で隠された一皿。葉の下には、松茸のカマス巻きと、揚げた渋川栗がありました。小さめの松茸をスライスしてカマスで巻いてあります。すだちを絞っていただきます。
皮がカリっとした栗は渋皮ごと美味しく食べられます。中のくりはホクホクです。

紅葉に隠された松茸カマス焼き
松茸カマス焼きと渋川栗

世界三大珍味のレンコンはさみ揚げ

レンコンに挟まれているのはフォアグラ、上にはキャビア、手前はトリュフ塩です。
中に挟まれたフォアグラは少量ですが、外側のレンコンの揚げ具合が良く、その調和した美味しさを味わうのに丁度よい量です。上に乗ったキャビアの塩味もアクセントになっています。

三大珍味レンコンはさみ揚げ

あわびと毛ガニ、ジュレ掛け

あわび、毛ガニの素材の良さが感じられました。崩れたゼリーの冷たい食感が嬉しい一品です。
一番上のつぶは、とんぶりです。

鮑と蟹

アナゴのきのこあん

穴子を、ジャンボマッシュルーム、ポルチーニ茸、ジロール茸の、洋風きのこのあんかけでいただきます。あんには里芋のような芋が入っていて、これがとても柔らかく優しい口当たりでした。

穴子のキノコあん

炊き込みご飯、御新香、おふの味噌汁

ハタハタの炊き込みご飯です。魚の旨みと脂がご飯に行きわたっています。ここでも魚の皮の柔らかさが美味しく感じられました。
炊き上げた釜で持ってきてくれるので釜のご飯をお代わりできます。

炊き込みご飯
釜

デザート

デザートは、くりあんみつでした。
くりのアイスクリーム、黒糖の寒天、あんこ、いちじくが入っています。それぞれが美味しいのですが、コースの締めくくりには、アイスクリームの冷たさがより嬉しく感じられます。
デザート
目で季節を楽しみ旬を味わういい時間を過ごせました。

子供料理と苦手な食材

子供には1500円(2018年9月現在)の和定食があります。天ぷら、お刺身、茶わん蒸しなどのセットです。

これを頼まず大人の分を取り分けて、足りなければ白米などを追加できるか聞いたところ、「コースは炊きこみご飯なので、白いご飯の用意はありません」「当日の追加はできないので、子供料理は事前に注文してください」とのことでした。
こだわりを持って、ご飯も客の食べる速さに合わせて炊くそうなので、当日の急な注文には応えられないのですね。

コース料理なので、好き嫌いがある人は苦手なものが出る可能性があります。私たちの中にも好き嫌いが多い人がいたので、食材を変更できるかを聞いてみました。対応できない場合もありますが、どうしてもダメなものは可能であれば変更してくれるようです。

とは言え、腕のいい料理人が調理してくれるなら、苦手な食材にも挑戦してみたいですね。

その季節お勧めの食材を職人の技でいただいた感想

新鮮な魚が上品に調理されています。どの魚も皮がとろけるように柔らかくその中に魚の旨みも凝縮されているようでした。高級食材を使った創作料理は、どれも主張しすぎることなく調和しています。

味だけではなく見た目にも工夫があります。籠や葉で隠された料理には、奥ゆかしさを感じると同時に、中には何が入っているのかと好奇心をそそられました。

給仕の方は尋ねたことに快く答えてくれ、わからないことは厨房で確認してきてくれます。料理からは季節を感じることができ、目でも舌でも楽しめます。季節に合わせた演出に料理人の思いと、従業員のおもてなしの心を感じました。